2025年6月12日、アパレル小売を展開する株式会社マックハウス(東証スタンダード:7603)は、新たに「金融・投資事業」への参入を発表しました。
この発表を受けて、翌13日の東京株式市場では前日比+43.5%となる165円で取引を終え、ストップ高となりました。
新事業の具体内容
特に注目されたのは、暗号資産ビットコインの取得です。最大で5億円の自己資金を投じて保有する方針としています。
主要な企業概要(事実ベース)
- 設立:1990年6月1日
- 資本金:1億円
- 従業員数:260名(2025年2月時点)+臨時530名
- 店舗数:約240〜270店舗(2025年2月末〜3Q時点)
- 売上高(2025年2月期):131.19億円(前年比–14.9%)
- 営業損益:–12.13億円、純損益–14.72億円(7期連続赤字)
- 期末現金預金:19.61億円(前期比+4.20億円)
- 業績見通し(2026年2月期):売上132億円・営業損失5.05億円・純損失6.5億円見込
- 財務指標:自己資本比率17%、利益剰余金–36.8億円、総資産73.3億円
市場の反応と株価の動き
6月13日の寄り付きから同社株は買い気配となり、9時34分には165円でストップ高を記録、PTSでも同水準で推移しました。
市場では「財務健全性回復の材料」「アパレル企業からキャッシュリッチ企業への体質転換」としてポジティブに評価されています。
IR・月次速報から見える現状
2025年5月度の月次速報では、販売量・客数とも前年同期比でマイナスが続いており、既存店売上高は–8.2%〜–19.4%と厳しい状況です。
また6月2日には新株予約権の修正および役員人事・組織変更もIRで発表され、資金調達および経営体制強化が進行中であることが明示されました。
コスト構造改善とサステナビリティへの取り組み
同社は不採算店舗の閉鎖、仕入れ見直し、在庫圧縮などを実施しており、中期経営計画の一環としてサステナビリティにも力を入れています。
2021〜22年には店舗数が500→250店舗へと縮小されており、固定費削減が経営戦略の核心になっています。
ヤフーファイナンス掲示板から投資家の本音
掲示板ではストップ高後の投稿が活発で、熱量あるコメントが並んでいます:
「株価165円で持ってるけど明日も成り買いで並びます」
「ストップ高ライト。誰も買えてないのに本尊が寄った後にどうするか見もの」
約61%が「買いたい/強く買いたい」に投票しており、短期の期待が高まっています。
他掲示板の動き:ビットコイン期待派も
他銘柄掲示板では、「マックハウスが5億円でビットコイン投資、ストップ高」というコメントもあり、仮想通貨関連の期待が広く広がっている様子が見られます。
自分の視点:赤字会社の“ビットコイン頼み”?でも変化は必要
初動で感じたのは「また赤字企業がビットコインで話題づくりか」という懐疑です。
しかし、既存事業が苦戦する中、「何もしない会社は消えていく」現実もあります。再建の起爆剤に金融・投資事業という選択肢は決して間違いではないと感じています。
投資家としての本音:少額保有でも恩恵は素直にうれしい
自分は少額ながら株を保有しており、ストップ高による株価ブーストは正直ありがたいです。
掲示板の「4倍あるかも」などの声を見ると期待が高まりますが、投資家としては「短期の波乗り」と「中長期の実績確認」のバランス感が大切だと思います。
懸念材料もしっかり確認
- 7期連続の営業赤字で、本業回復には時間がかかる
- ストップ高は話題性が中心で、一過性の可能性も
- ビットコイン価格が下落すると収益見込みに影響が出る
- 金融投資事業の実績(利益計上)が通期で見られるか不透明
今後の注目ポイント
- 臨時株主総会で金融事業の承認がおりるか
- ビットコインをはじめ金融市場の価格変動耐性
- ベンチャー投資や株式投資で実際に収益化できるか
- 既存アパレル事業とのバランス維持
- 株主還元策(配当・優待・自社株買い)の継続性
まとめ:短期メリットの波乗りも、実績まで見極めを
ストップ高による注目と話題性は大きい一方、実際の成果が見えるまでは慎重な姿勢が必要です。
株主としては、短期的には波に乗るのもありですが、中長期的には「収益化の実績」と「本業改善」が明確になるまで目を離せません。
さらに知りたい…業界全体の潮流と比較
最近のアパレル企業は、各社こぞってデジタル化やサブスク・ECへの注力を進めています。特に、ユニクロやGUなど大手はDXやサブスク会員サービスで安定成長を図っている一方、中小企業は店舗縮小や再編による対応が急務です。今回のマックハウスの金融戦略は、他社が手がけない独自の多角化の一例と見ることができるでしょう。
例えば、スポーツ用品店がフィットネス事業に進出するような、既存業態からまったく異なる収益源を模索する動きは今後増えていくと予想されます。その中で、成功すれば話題になり、失敗すれば一瞬で信頼を失うギャンブルでもあります。
読者の皆さまへ:あなたはどう感じましたか?
・アパレル企業が金融分野に乗り出すこと、どう思いますか?
・今回のストップ高、買う・持ち続けるに値すると思いますか?
・他業態と比較して、今回の一手はどの程度革新的だと思いますか?
・不安に感じる点、気になる点があればぜひ教えてください!
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。